透 析 原 理

  血液透析は拡散による物質交換と限外濾過による物質除去を行なわれていますが、血液透析は
 主に拡散の作用で物質除去していますが、大きな分子量は膜を通る事が出来ない。
    
    
Online(オンラインHDF)について (現在では、専用装置のみ施行可能となっております。)
  拡散だけでは大きな分子量の毒素の除去には限界があり、除去出来ない大きな毒素が体内に蓄積し、
  様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
  そこで、透析液を血液回路(体内)へ直接注入し、拡散だけでは除去されにくい大きな毒素を、今度は
  限外濾過を利用し除去する方法を血液透析濾過法と言います。
  どのような仕組みかといいますと、患者監視装置の特性としてダイアライザーに入る量・出る量が一定
  量となっています。患者監視装置から流れた透析液はダイライザーへ行く途中の置換ポンプにより
  500ml/min中40ml/minだけ抜かれ静脈エアートラップに流れます。ダイアライザーへは460ml/minしか
  流れません。500ml/minより少なくなってしまいました。しかし患者監視装置は一定量を保とうとし、足り
  ない量をダイアライザーに陰圧をかけ補われます。この時にかけられた陰圧により、大きな分子量を
  引っ張り出す、と言う仕組みです。
  流れについては下の図を参照して下さい。
    
    
リクセル(吸着器)について
  直接血液灌流法(DHP)、吸着器に直接血液を接触させ、物理化学的現象を利用して物質除去する
  方法で、透析やHDFでは除去されにくい物質(分子量の大きな物質)を吸着除去する。
  *リクセル使用には、保険適応の制約がありますので御注意ください。
    
    
リクセル吸着器・OnlineHDF併用 (現在では、専用装置のみ施行可能となっております。)
  リクセル吸着器・OnlineHDF併用する事によりリクセルで吸着されなかった物質をさらにOnlineHDFで
  除去をする。
    
    
OnlineHDF・リクセル併用によるβ2−MGのデータと除去率
  β2ーMGのデータ
         開始時   15分    30分    60分    120分    240分    終了時
  動脈側    28.5  19.5   16.4    14.8    13.5    10.4     6.3
  リクセル後        13.3   12.4    11.3    10.9     9.3     5.8      
  HDF後           5.4    5.1     4.9     4.6     3.9     2.6
  β2−MG除去率
           15分    30分    60分    120分    240分    終了時
  リクセル    31.8   24.4    23.6    19.3    10.6     7.9    
  HDF      59.4   58.9    56.6    57.8    58.1    55.2
  上記の結果より、リクセルは時間を経過するとともに飽和状態になり、徐々に吸着能力が低下しま
  すがリクセル吸着器・OnlineHDF併用する事によりリクセルで吸着されなかった物質をさらにOnline
  HDFで除去し長期透析患者様の合併症を少なく出来るのではないかと思われる。
当医院では、通常透析療法・リクセル吸着療法・OnlineHDF療法・OnlineHDF+リクセル併用療法の
4種類の透析療法をしています。
現在、当医院では静脈からのOnlineHDFをしていますが、今後は動脈からのOnlineHDFを施行する
予定になっています。